Free moverのための奨学金

Free moverの基本

以前の記事にも書きましたが、始めに改めてFree moverとは何なのか簡単にまとめておきます。

端的に言うと、Free moverとは

  • 所属する日本の大学と交換留学協定がない大学に交換留学に近い形で留学できる制度
  • フィンランドでは学費は徴収されない(2017年現在)
  • 手続き等すべて自己責任(基本的に日本の大学は関与しない)

というものです。

以前の記事にも書いた通り、使い方によっては便利な制度ですが、悪い側面も数多くあります。

奨学金

留学をするにあたって、その費用をどうするかは重大な問題です。
交換留学であれば、大学の奨学金であったり、JASSOの奨学金であったり、かなりの確率で給付奨学金を得ることができます。

Free moverとして申請できる奨学金はわずかしかありません。

JASSO(日本学生支援機構)

奨学金として、一番最初の多くの人が思い浮かべるのがJASSOの奨学金です。
Free moverとして留学用の奨学金を申請する場合、もっとも獲得できる確率が高いのはこの奨学金です。

第二種奨学金(短期留学) - JASSO

ただし、これは奨学金というより学生ローンといった方が正確です。
貸与なのは国内の大学に通うための奨学金と同じですが、二種の扱いしかありません。
つまり、利子ありの貸与奨学金しか利用できません。

おまけに、申請の手続きは海外に行くことを全く考慮されておらず、手続きの最終段階は留学先に渡航した後で行われることが多いらしいです。
したがって、日本にいる家族等に手続きを代理で行って貰わなければなりません。そのためには、何度か日本と郵便のやりとりもしないといけないそうです。

さらに、奨学金の振込先に使用できる口座は「通帳がある口座」に限られます。
海外からも引き出せるネットバンクは使用不可となっており、実際、「この奨学金を海外からどうやって利用するのかは疑問に思っている」と日本の大学の担当者の方も言っていました。

最後の手段として利用するのは良いと思いますが、最初からあてにするべき奨学金ではないことは間違いありません。

トビタテ留学Japan

最近、文科省が中心となって企業からの出資でつくられたアレです。

www.tobitate.mext.go.jp

1ヶ月以上、2年以内の期間の留学の場合、申請することができます。
トビタテ留学Japanに申請している人はブログをやっている人が多いので、ちょっと検索すればいろいろな情報を得られると思います。

大学の留学の窓口で相談しても、大抵、これを一番に勧められます。
支給額もかなり高く、月々16万円が支給されます。また、渡航費も支給されるのでかなりお得です。

最近は人気があるので、採用されるのが難しくなっているかもしれませんが、申請する価値はあるでしょう。


フィンランドの奨学金

わずかですが、フィンランドの奨学金もあります。

Tuition Fees and Scholarships in Finland | Studyinfinland.fi

こちらは、申請書類を英語かフィンランド語で作成する必要があるため、かなりハードルが高くなります。
採用者数も少ないですが、英語の練習も兼ねて出してみるのも良いかもしれません。


私立奨学金

こちらもあまり多くはありませんが、分野によっては充実していることもあります。
分野によりけりですので、ここには詳細は書きません。


日本学術振興会特別研究員

ここからは博士後期課程に限定されるものです。
まず、よく知られているのが日本学術振興会特別研究員です。
DC1とDC2があります。
こちらはかなり狭き門ですが、採用されれば業績としてもおいしいですし、月20万円+研究費まで支給されます。

特別研究員|日本学術振興会



若手研究者海外挑戦プログラム

こちらは最近始まったプログラムです。
特別研究員は国内を対象とした制度であるのに対して、こちらは完全に留学するためのものです。
給付額は月々いくらとは決まっておらず、内容と期間によって評価され、決められるようです。
今年から電子申請も始まったので、申請しやすくなっていると思います。

若手研究者海外挑戦プログラム|日本学術振興会


最後に

ここまでFree moverとして申請可能な奨学金を挙げてきました。
これらはフィンランドにFree moverとして留学する人は誰でも(一部は博士後期課程限定)申請できるものです。

あまり聞いたことはありませんが、大学によっては交換留学でなくても申請可能な奨学金を用意してくれているかもしれません。
一度、自分の大学の留学関係の窓口で尋ねてみることをおすすめします。