フィンランド留学で英語は上達するのか

留学先としてはアメリカやイギリス、オーストラリアなどの英語圏の国々が人気です。
特に、学部生の交換留学では英語力の向上が目的であることが多いため、英語圏の国々が選ばれるのも理解できます。

一方、ヨーロッパのほとんどの国は公用語が英語ではありません。
フィンランドも例に違わず、フィンランド語とスウェーデン語が公用語です。

ただし、他のヨーロッパの国々との大きな違いは、ほとんどのフィンランド人は苦もなく英語をしゃべれることです。


英語だけで生活できる国、フィンランド

フィンランドでは、英語さえできれば十分生活していくことが可能です。
ほとんどのフィンランド人は英語ができます。また、英語で開講されている授業も多く、英語のみで学位が取得できる修士課程もたくさんあります。

そのため、留学生の中にはフィンランド語は一切勉強せず、英語だけで生活している人も多数います。
特に、ヨーロッパ各国からErasmus+の制度で留学に来ている学生たちは、フィンランド語には見向きもしません。
そして、ヨーロッパの国々の言語の多くは英語との共通点が多いため、英語で生活することは日本人と比べると全く苦になりません。


英語とは似ても似つかないフィンランド語

フィンランド人は英語が喋れることは何度も書いてきましたが、実際、フィンランド語と英語は文法についても、単語についても全くと言って良いほど違います。
そのため、フィンランド人が英語を喋るときはゆっくりと喋っているように感じられます。
おそらく、日本人が英語を喋るときほどではないにしても、ある程度考えながらでなければ話すのが難しいのだと思います。


フィンランドの大学内での普段の会話は?

フィンランド人は英語が話せるとは言っても、大学内での普段の会話はもちろんフィンランド語です。
友人同士のコミニュケーションも、教授同士の会話も当然フィンランド語です。

1年程度の交換留学で、フィンランド語をちょっと勉強したくらいでついていけるようなものではありません。
また、フィンランド語がわからない人がいても、その人に関係することでなければ基本的にフィンランド語での会話が続いていきます。
したがって、フィンランド人とのコミニュケーションは必然的に少なくなりやすいです。

シャイ

そして、よく言われることですが、フィンランド人はシャイです。
廊下でちょっとすれ違ったくらいでは話すようにはなりません。
こちらから積極的に話しかけるようなことがなければ、フィンランド語でフィンランド人同士で仲良くしているので、留学生が英語を使う機会すら与えられないのです。


何が言いたいのか

結局のところ、フィンランド留学で英語力を向上させることは非常に難しいです。
特に、1年くらいの短い期間の留学ではより困難でしょう。

つまり、英語力を向上させようと思ったら、素直に英語圏の国に行くことをおすすめします。
一方、フィンランドでなければ学ぶことができないことがある人はフィンランドに来るのが良いと思います。
ただし、英語力の向上にはあまり期待しないことです。
英語で話す機会が少ないことに加えて、フィンランド人もネイティブではないため、ネイティブの感覚とは違った部分も多くあるはずです。発音もかなりフィンランド語訛りです。

フィンランド留学は目的をよく考えて選択するべきと言えるでしょう。